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「水無月、おいで」
パタパタとねこじゃらしを振って呼ぶ水月兄さん、彼女は顔を上げるとその側へと駆けよっていく。
飼い主の雨月兄さんは、茶の用意をして席を外しているのだが……それにしても。
「どうして、水無月は僕には懐いてくれないんでしょうね?」

そう、彼女は何故か僕には冷たい。
呼びかけて無視されるし、兄さんの様におもちゃでつってみても駄目だった。
最後の最後に餌で釣ってみた事もあるけれど、これも完全にスルーされてしまった。

「別に明月の事が嫌いな訳じゃないよ、鏡花とも仲悪いでしょ?」
「仲が悪いというよりも、姉さんが一方的に毛嫌いしてるだけだと思うんですけど」
それはいいとして、雨月兄さんの愛猫・水無月は、どうも人を警戒している様に見える。
猫でありながら、飼い主へ忠誠心が強いというのか……。
まあ、自由気ままに動き回るので犬のようだと感じた事はないけれど。

「好みのタイプっていうのが、あるんじゃない?」
ねこじゃらしに戯れる水無月を撫でながら、水月兄さんはそう言う。
猫に、人の好みなんていうのが存在するのかどうかは知らないけれど、二人の兄さんには心を許しているあたり、何かあるんだろう。
「猫は飼い主の事をよく覚えてるって言うからね、良い主人に巡り合った猫は猫又になって恩返しをしに来るなんて言うし。意外と、犬よりも猫の方が末代まで守ってくれるのかもよ」
「そうですか?」
そうは言っても、移り気な猫がこの家を末代まで守ってくれるくらいの忠誠を見せてくれるような気はしない。

「…………」
盆に茶を用意して戻って来た雨月兄さんを見て、遊んでいた水無月はパッと顔をあげた。
水月兄さんの元を離れて、すぐに飼い主の脚元へと寄っていく。
「やっぱり、水無月は雨月が好きだね」
「そうみたいですね」


葛兄弟の日常風景。
友人の間で何かと話題になっていた、雨月の飼い猫・水無月はその辺に居る普通の猫です。

先日、先輩が「猫又を見た」とか言いだしたので思いついたネタでした。
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