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伝統文化を継承している、というのは別に時代遅れという意味ではない。
家には普通に最新の家電があるし、兄弟揃って携帯も所持している……まあそれでも、水月兄さんは捕まらない事の方が多いし、雨月兄さんはメールでなければちゃんとした言葉ももらえないし、持っている意味を疑問視する声はあるものの、時代に取り残されているとは思わない。
そんな僕達の家にもテレビはある。しかも、薄型の物凄く大きいテレビが畳み敷きの部屋に置いてある、テレビ購入時に何畳以上の部屋と書かれていたから、畳の部屋であれば数は数えやすいものの、なんというかこんな最新機器がここに置かれているのは、普通に見ても違和感を覚えるものだろう。
「兄さん、何見てるんですか?」
どこかに仕事に行っていた水月兄さんが帰って来たのは昨日のこと、「今日は休みだ!」と嬉しそうに語っていた彼は、一日ここに閉じこもる気でいたらしい。何故それが分かるのかって、机の上に並べられた大量の飲食物を見て、そう判断できない方がおかしいだろう。
「明月も一緒に見る?撮り溜めてた大河ドラマ」
一時停止してこちらを振り返ると、自分の隣を指す。どうやら座れという意味らしい。
「見てたんですね、今年も」
「当たり前だろ。しばらく帰ってこれなかったからね、雨月に頼んで録画してもらってたんだ」
嬉々としてそう語る兄さんは、録画されたドラマの再生を始める。
「父さんも見てますよ、あと鏡花姉さんも」
「だろうね、ウチは皆見てるんじゃない?今年は視聴率悪いって噂だけど」
「すいません、そんなタイムリーな話題はできれば止めて下さい」
「いいじゃないか!面白いよ清盛……まあ、日本人はどっちかっていうと義経の方が好きだと思うけど」
「平安って、あんまり馴染みないですからね。じゃなくて!」
「それにしても、清盛が政治面なんかで活躍してきたのは、晩年になってきてからだからね。あんまり青年期は盛り上がりに欠けるんだろうなあ」
「だから、そういうの止めましょうよ!」
「まあまあ、これからもっと面白くなってくるって!」
そういう意味ではない、なんていうか現実にある話題に触れるべきではないんじゃないかという心遣いを、完璧に踏みにじってくれている。
完全に、作者の悪意を感じる。
「兄さんは、出演してみたくないんですか?」
ドラマを見ながら、役者も兼業している兄にふと尋ねてみる。二人の兄は両方とも舞台には出演しているものの、テレビ出演はことごとく却下しているのだ。
「うーん、楽しそうなんだけどね。そもそもボク達にそんな声はかからないよ」
三流だからね、なんて軽く流しているけれども、実際はそこまででもないハズだ。最近、ちょっとずつ話題になってきているらしいし。まあ、僕自身はそちらの道に行く気は毛頭無いので、そんなもんか……と流しておく。
「誰もが知ってる存在かもしれないけどさ、でもテレビはやり直しがきくからね。やり直しのできない一発勝負の方が、明らかに楽しいよ」
「楽しいって、そういう問題ですか?」
「そういう問題!っていうか、そちらは本業じゃないからさ。あんまり話題になっても困るんだよね」
「そりゃそうでしょうけれど」
「ハハ、やっぱり面白いね。今週の放送が楽しみだ……さてと、どうする明月?これから何年か前の大河をいっき見しようと思うんだけど、何が良い?義経?独眼竜?新撰組?秀吉もオススメだけど、最近だと……」
「……いや、え……大河を一気に見るんですか?」
「そうだよ」
いや、平然とそうだよって言われても困るんですが……。
「やっぱりテレビ買い換えて良かったね、凄く綺麗に映るし」
正直、もう無言になるしかない。
僕がテレビを見ている時間は、おそらく一般人並みだ。だが、我が家のテレビはごく稀に、ありえない重労働を強いられている。
大河ドラマが低視聴率過ぎて泣けてきたので、葛一門が皆で見てくれてたら、もう少し上がるんじゃないかと…そんなどうでもよい願望を抱いてみた。
というか、そういう事を考えていたらウチの子達に源平のコスプレさせたくなってきた……どんなけ人数いるんだよって感じなんですが……。とりあえず、清盛は水月ですかね……。
家には普通に最新の家電があるし、兄弟揃って携帯も所持している……まあそれでも、水月兄さんは捕まらない事の方が多いし、雨月兄さんはメールでなければちゃんとした言葉ももらえないし、持っている意味を疑問視する声はあるものの、時代に取り残されているとは思わない。
そんな僕達の家にもテレビはある。しかも、薄型の物凄く大きいテレビが畳み敷きの部屋に置いてある、テレビ購入時に何畳以上の部屋と書かれていたから、畳の部屋であれば数は数えやすいものの、なんというかこんな最新機器がここに置かれているのは、普通に見ても違和感を覚えるものだろう。
「兄さん、何見てるんですか?」
どこかに仕事に行っていた水月兄さんが帰って来たのは昨日のこと、「今日は休みだ!」と嬉しそうに語っていた彼は、一日ここに閉じこもる気でいたらしい。何故それが分かるのかって、机の上に並べられた大量の飲食物を見て、そう判断できない方がおかしいだろう。
「明月も一緒に見る?撮り溜めてた大河ドラマ」
一時停止してこちらを振り返ると、自分の隣を指す。どうやら座れという意味らしい。
「見てたんですね、今年も」
「当たり前だろ。しばらく帰ってこれなかったからね、雨月に頼んで録画してもらってたんだ」
嬉々としてそう語る兄さんは、録画されたドラマの再生を始める。
「父さんも見てますよ、あと鏡花姉さんも」
「だろうね、ウチは皆見てるんじゃない?今年は視聴率悪いって噂だけど」
「すいません、そんなタイムリーな話題はできれば止めて下さい」
「いいじゃないか!面白いよ清盛……まあ、日本人はどっちかっていうと義経の方が好きだと思うけど」
「平安って、あんまり馴染みないですからね。じゃなくて!」
「それにしても、清盛が政治面なんかで活躍してきたのは、晩年になってきてからだからね。あんまり青年期は盛り上がりに欠けるんだろうなあ」
「だから、そういうの止めましょうよ!」
「まあまあ、これからもっと面白くなってくるって!」
そういう意味ではない、なんていうか現実にある話題に触れるべきではないんじゃないかという心遣いを、完璧に踏みにじってくれている。
完全に、作者の悪意を感じる。
「兄さんは、出演してみたくないんですか?」
ドラマを見ながら、役者も兼業している兄にふと尋ねてみる。二人の兄は両方とも舞台には出演しているものの、テレビ出演はことごとく却下しているのだ。
「うーん、楽しそうなんだけどね。そもそもボク達にそんな声はかからないよ」
三流だからね、なんて軽く流しているけれども、実際はそこまででもないハズだ。最近、ちょっとずつ話題になってきているらしいし。まあ、僕自身はそちらの道に行く気は毛頭無いので、そんなもんか……と流しておく。
「誰もが知ってる存在かもしれないけどさ、でもテレビはやり直しがきくからね。やり直しのできない一発勝負の方が、明らかに楽しいよ」
「楽しいって、そういう問題ですか?」
「そういう問題!っていうか、そちらは本業じゃないからさ。あんまり話題になっても困るんだよね」
「そりゃそうでしょうけれど」
「ハハ、やっぱり面白いね。今週の放送が楽しみだ……さてと、どうする明月?これから何年か前の大河をいっき見しようと思うんだけど、何が良い?義経?独眼竜?新撰組?秀吉もオススメだけど、最近だと……」
「……いや、え……大河を一気に見るんですか?」
「そうだよ」
いや、平然とそうだよって言われても困るんですが……。
「やっぱりテレビ買い換えて良かったね、凄く綺麗に映るし」
正直、もう無言になるしかない。
僕がテレビを見ている時間は、おそらく一般人並みだ。だが、我が家のテレビはごく稀に、ありえない重労働を強いられている。
大河ドラマが低視聴率過ぎて泣けてきたので、葛一門が皆で見てくれてたら、もう少し上がるんじゃないかと…そんなどうでもよい願望を抱いてみた。
というか、そういう事を考えていたらウチの子達に源平のコスプレさせたくなってきた……どんなけ人数いるんだよって感じなんですが……。とりあえず、清盛は水月ですかね……。
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